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上橋菜穂子さんの「鹿の王」を読んで
今年、本屋大賞に選ばれた上橋菜穂子さんの「鹿の王」を読みました。

図書館で予約して、やっと手元に上下二冊届きました。二週間の期限で読めるか心配でしたが、二日間で読破しました。
面白かったからですが、もうひとつの理由があるのです。
私と同じ世代の方ならきっと理解してくださると思いますが、登場人物の名前を覚えるのが大変なんです。一晩寝ると、これは誰だったかしらとまた、読み返さないと忘れているんです。忘れないうちに読み切る、そのため、寝る間を惜しんで読んだのです。
この本は、多民族国家を題材にしています。誰が、どの地域出身で、どの民族なのか、そして今、どの地域で住んでいるのかわからなくなります。また、親子、親戚、主従関係も複雑です。

角川書店さん、願わくば、地図と登場人物の相関図を付けていただけないでしょうか。(わたしだけ?)


<あらすじ>
巨大帝国東乎瑠(ツオル)が、多民族への侵略を繰り返す世界で、突如謎のウィルスが発生する。黒狼病、それは人為的に作られた犬と狼の混血種が媒体となる病。それにかまれて死ぬものと、生き残るものがでてくる。
征服者である帝国東乎瑠の民は死に至り、帝国に征服され恭順したアカファ王国の民は生き残る。そして、そのどちらでもない小数民族の奴隷である勇者ヴァンとどこの民族かわからない幼子ユナも生き残る。

その病を解明しようとする医師ホッサルは、生き残ったヴァンを探し始める。病の裏には、策略が巡らされていた。


上橋さんの作品は、わが町の図書館では児童書に分類されています。
あらすじは、簡単ですが、決して子供向けのファンタジー小説ではありません。日本医療小説大賞も受賞した作品なので、医学的理論も分かりやすく、しっかりと書かれています。

そして、描かれる社会情勢は、今の地球上で起こっている紛争を彷彿させます。

巨大帝国から送り込まれた入植者のよって、文化、伝統、国土を踏みにじられていく民族の怒りと悲しみ。善悪ではなく、それぞれの民族の価値観の違いが造り上げる憎悪。どちらの立場も理解できるだけにより辛い。

イスラエルとパレスチナ。ロシアとウクライナ、中国の小民族問題。イスラム国の台頭。古代から今に至るまで解決できない問題を連想させます。


異種交配させて人為的に生まれ変わらせた植物や動物が後々人間に有害なものとしてしっぺ返ししてくる脅威。

エボラ出血熱をはじめとする原因不明の病につながります。


それでも、希望があることをこの本はおしえてくれます。

最後、すべての生命のために自分を犠牲にしてでも、戦いを鎮静化させにヴァンは走ります。

そして、血のつながりのない、民族の異なる、ヴァンの家族が彼を探しに行くのです。

やっぱりファンタジーかな。根底にあるものは愛の力なのかなあ。その対象をどれだけ広げられるか、なのかな。

まずは、私の周りにいる人の立場を理解することに努めよう。そして、みな、愛すべき存在であることを胸に刻もう。同じ時代に、同じ地球にうまれた縁の深さを思おう。
上橋さんと同じ時代に生まれたことにも感謝です。

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